| 隣接セクション | ||||
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| 新在直通 異電圧交交セクション |  | (奥羽本線 青森方) 赤岩き電区分所 | ||
東京と米沢・山形・新庄を結ぶ山形新幹線「つばさ」は，東京から福島まで東北新幹線上を，「やまびこ」に併結されて走り，福島で切り離されて在来線の奥羽本線に乗り入れています．奥羽本線の福島-新庄間は，従来の1067mm（狭軌）から1435mm（標準軌）に改軌されましたが，架線の電圧については在来線の標準である20kVのままとされました．このため，新幹線の標準である25kVの区間との境界にデッドセクション(異電圧交交セクション)が設けられました．しかし，車両の主回路は基本的に25kV用とし，在来線区間での5kVの電圧低下はマージンとして許容できるように設計されています．このため，開業時の400系や現在使用されているE3・E8系「つばさ」は，異相区分セクションを通過する時と同様にノッチオフするだけで，特別な切換操作なしに通過しています．
異電圧交交セクションは福島駅から約1.3km，下り列車がアプローチ線(短絡線)を下って地上に降り地上ホームからの本線と合流する手前に設置されています．真上には歩道橋があるため，セクションインシュレータの構造を間近で観察するには格好の場所といえます．E3系・E8系「つばさ」が通過する際にパンタグラフとの間に飛ぶアークの様子も良くわかります．
現在は東北新幹線から奥羽本線に乗り入れるアプローチ線は単線で「つばさ」の上り・下り列車が共用しています．「つばさ」の発着には14番線しか使用できず，さらに東京方面への上り列車については併結相手の「やまびこ」が駅前後で上下本線間の渡り線を2度通過する必要もあり，ダイヤ上のネックとなる交差支障時間が長くなっています．そのため，新庄方から11番線へ乗り入れる上りアプローチ線を新設して上下線を分離する工事が進められています．奥羽本線本線から分岐して東北新幹線の下をくぐり，急カーブ・急こう配で11番線に合流する高架橋の工事はほぼ完成して線路の敷設も終わっており，さらに架線工事も進んでいて最近(2025年2月)になって上り線用の異電圧交交セクションも前述の分岐直後の位置に新設されました．真横には「森合西中川公園」があり，異電圧交交セクションを通過する上り列車を安全に観察するには絶好のロケーションとなりそうです．
東北新幹線・奥羽本線 福島駅構内略図文中の色のついた部分をクリックすると写真の該当箇所のマークがON/OFFします．
2) 異電圧セクション通過中の山形新幹線つばさ．右に架線死区間標識（交流用）が見えます．
3) 歩道橋の上から見たセクションインシュレータ．
5) 交交セクションの真下には黄色のトゲトゲが付いたシートが敷かれています．
6) 奥羽本線標準軌区間で使用されている719系5000番台交流電車（米沢駅で撮影）．
7) 東北新幹線福島駅14番ホームには，「やまびこ」・「つばさ」併合用の信号機が設置されています．