| 隣接セクション | ||||
|---|---|---|---|---|
| (市振方) 青海変電所 |  | えちご押上ひすい海岸－梶屋敷間 交直セクション | ||
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| (市振方) 青海変電所 | | えちご押上ひすい海岸－梶屋敷間 交直セクション | ||
北陸本線の電化は，基本的には交流20000V,60Hzで行われ，敦賀付近から始まって順次東のほうに伸びてきました．しかし，商用電力の周波数は親不知付近を境として60Hzから50Hzに変わります．これは，明治初期に電力の供給が始まった時，関西ではアメリカ製の60Hz発電機，関東ではドイツ製の50Hz発電機を別々に導入したためです．その後，全国的に統一しようとする試みが何度か行われたようですが，コスト的に無理との理由で現在に至るまで実現していません．そのため，糸魚川からさらに直江津方へ交流電化区間を伸ばすためには，
などの対策が必要となりました．一方，直江津駅で接続する信越本線はすでに直流1500Vで電化されていました（長野－直江津：1966年8月24日，直江津－宮内：1969年8月24日）．そこで，北陸本線の東端区間（梶屋敷-直江津)は1969年9月29日に直流電化され，糸魚川-梶屋敷間に交直セクションが設置されることとなりました．
その後，交直セクションを含む市振－直江津間は2015年3月14日にJR西日本から第三セクターのえちごトキめき鉄道に移管されました．さらに，2021年3月に交直セクションの交流側約1.3kmの地点に新駅「えちご押上ひすい海岸」が開業しました．
なお，JR西日本時代，当該区間を通る旅客列車は全て交直両用車で運転されていましたが，3セク化に伴い経費節減のため大半の列車が気動車に置き換えられました．3セク化後も引き続きJR東日本から乗り入れてくる快速1往復のみが485系電車で運転されていましたが，2017年3月に廃止されて以後は観光臨時列車用にJR西日本から購入した413系・455系を除き，定期の旅客列車は全て気動車で運行されています．上述の通り，交流側至近に新駅が開業しましたが，交直セクションは惰行通過が必須であるため直前に駅があると加速区間が足りなくなって運転操作上大きな制約になり得ます．しかし気動車での運行であれば交直セクションの存在を気にする必要はありません．逆に言うと，気動車への置き換えが無ければ新駅の開業も無かったかもしれません．
ちなみに，新潟県内は一部の例外（佐渡島や旧青海町域の一部など）を除いて東北電力の50Hz供給区域であるため，糸魚川駅の市振方にある交流区間最後のき電用変電所（えちごトキめき鉄道 青海変電所）への電力は，旧青海町区域の黒部川電力または電気化学工業の60Hz変電所からの融通，もしくは北陸電力の富山県側からの越境により供給されているようです．
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1) 下り線，糸魚川駅を発車してすぐの地点にある，非常に目立つ標識．実際の切換地点よりはかなり手前ですが，交流→直流切換は直流→交流の場合よりも切換失敗（冒進）のダメージが大きいため，特に注意を喚起する目的で近年になって設置されたようです．
2) 「切換ヨーイ」は第三セクター「えちごトキめき鉄道」移管後も健在です．
3) デッドセクションの糸魚川方（交流側）にある交直切換標．非常に大きく目立ちます．
4) えちごトキめき鉄道移管後．特に変化はありません．
5) JR西日本標準タイプの交直切換標．ランプが交互に点滅していて非常に目立ちます．
6) えちごトキめき鉄道移管後．ランプのケースが少しくたびれています．
7) 交直切換標を別の角度から見たところ．奥の高架は北陸新幹線．架線電源は25kV 50Hz(通常時)で，20kV 60Hzのえちごトキめき鉄道と並行しています．
8) 架線死区間予告標．下にはストロボタイプの点滅灯が設置されています．手前の虎模様の標識も注意喚起のために設置されていると考えられます．
9) えちごトキめき鉄道移管後．上空を国道8号線バイパスの高架橋が通過しており，風景が大きく変わっています．
10) デッドセクションの交流側入り口手前にある標識．昔からあるようですが，糸魚川のみのオリジナル標識です．
11) えちごトキめき鉄道移管後．「交流」の文字が少しくたびていますが大きな変化はありません．
電源種別を表示
13) 2010年5月時点でのデッドセクションの様子．すぐそばで河川改修工事が行われていました．
14) えちごトキめき鉄道移管後．河川改修工事終了後は元の状態に近い姿に戻っています．
15) 上り線交流側出口のセクションインシュレータ（2m x 4 = 8m)．
16) えちごトキめき鉄道移管後．一番出口に近いインシュレータが真っ黒になっています．
17) 上り線直流側入口のセクションインシュレータ（2m x 10 = 20m)．15)と合わせて無電区間を構成しています．
18) 上り線のセクションインシュレータ．吊架線は小さいポリマー碍子で絶縁されています．
19) 下り線のセクションインシュレータ．吊架線のポリマー碍子は上り線より長いものが用いられています．
20) えちごトキめき鉄道移管後．2015年3月のダイヤ改正まで多数の特急・普通電車が通過していたためか，入口寄りのセクションインシュレータが真っ黒になっています．
21) 上り線直流側入口セクションインシュレータの2010年5月時点の様子．
22) デッドセクション付近が工事中だったころの様子．側道が工事で通行止めになっており，向こう側へ行くには大きく迂回する必要がありました．
23) デッドセクション真下の線路も2箇所で絶縁されています．交流・直流の帰線電流が混じらないようにするためと思われます．また，信号電流の中継用と思われる機器箱も設置されています．
24) 絶縁継目の脇には，帰線電流分離・信号電流中継用のインピーダンスボンドが上下線分まとめて設置されています．
25) デッドセクションの直流側，梶屋敷駅そばの直流変電所から来た直流き電線の終端部．
26) 直流側き電線の終端部の架線柱がコンクリートから鋼管に変わっていました．
27) デッドセクション付近で行われていた河川改修工事の看板．近くでは当時北陸新幹線の工事が行われていましたが，直接の関係は無さそうです．
28) 工事用地の関係か，デッドセクション直流側の架線柱が一時期だけ片持ち式に交換されていました．
29) デッドセクションの交流側，交流負き電線の終端部．
30) 直流側の標識．何枚か設置されていますが，近年交換された架線柱にも取り付けられています．
31) えちごトキめき鉄道移管後．全く変化はありません．
32) デッドセクション直流側の力行標．
33) 梶屋敷駅近くにある変電所．東北電力から50Hzの電力を受電し直流に変換しています．
34) えちごトキめき鉄道移管後ですが，看板はJR西日本のままです．
35) き電用変圧器．50Hzのハム音が聞こえていました．
36) 変電所からの出力引き出し部分．
37) 変電所からの出力はケーブルで上り，下りそれぞれの直流き電線にT字接続されています．
38) 直流側の交直切換標．
39) えちごトキめき鉄道移管後．全く変化はありません．
40) 38)の次にある惰行標．表示が非常に念入りな下り線側（交流→直流）と比較すると枚数・表現ともかなり控えめです．
41) デッドセクション直流側手前の標識．
42) 橋梁工事のため一時期デッドセクション脇を通り抜ける事ができなくなっていました．
電源種別を表示
44) えちごトキめき鉄道移管後のデッドセクション直流側入口．
45) 踏切のすぐそばにある交流側セクション出口の力行標．
46) 力行標を線路の反対側から見たところ．奥では北陸新幹線の高架橋工事現場が進行中でした．
47) えちごトキめき鉄道移管後の様子．北陸新幹線の手前にさらに国道8号線のバイパスが建設され，風景が一変しました．
48) JR西日本時代のデッドセクションを通過中の455(475)系上り普通電車．えちごトキめき鉄道移管後は1日1往復の快速(JR東日本485系使用)以外の旅客列車は気動車で運転されているため，デッドセクションを通過する普通電車自体が過去の風景となりました．
49) 夕暮れの中，デッドセクションを通過する455(475)系下り普通電車．2015年3月のダイヤ改正で営業運転を終了しました．
50) デッドセクション通過中の419系下り普通電車．かつては北陸本線を象徴する姿が異彩を放っていましたが，521系の増備で姿を消し，全車廃車となりました．
51) JR西日本時代のデッドセクションを通過する681系金沢方面行き「はくたか」．北越急行のオリジナル塗色でしたが，現在は全車JR西日本に売却され，塗色も681・683系標準に揃えられました．
52) JR西日本時代のデッドセクションを通過する683系越後湯沢行き「はくたか」．
53) JR西日本時代のデッドセクションを通過する681系越後湯沢行き「はくたか」．こちらはJR西日本681・683系の標準的な塗色．
54) JR西日本時代のデッドセクションを通過する485系3000番台金沢行き「北越」．JR東日本のリニューアル編成．485系はえちごトキめき鉄道移管後も快速電車として1日1往復のみ乗り入れています．
55) JR西日本時代のデッドセクションを通過する485系3000番台新潟行き「北越」．「北越」も2015年3月のダイヤ改正で廃止となりました．
56) JR西日本時代のデッドセクションを通過するEF81牽引の札幌行き寝台特急「トワイライトエクスプレス」．2015年3月のダイヤ改正で札幌行きとしての通常運行を終了し，現在はロイヤル・スイートのみ（他に乗務員用としてB寝台1両も連結）で組成された団体臨時列車「特別なトワイライトエクスプレス」として山陽方面に運行されています．
57) デッドセクションを通過する富山機関区のEF510牽引上り貨物列車．
58) デッドセクション通過中のEF81牽引下り貨物列車．当時はまだ数多く活躍していましたが，その後のEF510増備により急速にその数を減らしました．
59) JR西日本時代のデッドセクションを通過する485系3000番台金沢行き「北越」を線路北側から見たところ．
60) JR西日本時代のデッドセクションを通過する485系新潟行き「北越」．
61) JR西日本時代のデッドセクションを通過する455(475)系上り普通電車．晩年は青一色に塗り替えられて最後の活躍をしていました．
62) JR西日本時代のデッドセクションを通過する681系金沢行き「はくたか」．
63) えちごトキめき鉄道移管後のデッドセクションを通過するET122系気動車の泊行き上り普通列車．日本海の波をイメージした通常車両．
64) えちごトキめき鉄道移管後のデッドセクションを通過するET122系気動車の直江津行の下り普通列車．交直セクションに単行の気動車，第三セクター移管後の現在を象徴する姿です．
65) えちごトキめき鉄道移管後のデッドセクションを通過するET122系気動車．こちらは沿線の花々が大胆にあしらわれたイベント対応車両．
66) えちごトキめき鉄道移管後のデッドセクションを通過するET122系気動車．当然ながら架線の電源種別など一切お構いなしにかなりのスピードで駆け抜けていきます．
67) 交直切換標の脇を通過する419系下り普通列車．奥の高架は当時工事中の北陸新幹線で，架線柱はまだ建てられていませんでした．
68) 交直切換を予告する標識の脇を通過する681系越後湯沢行き「はくたか」．
69) 交直切換を予告する標識の脇を通過する419系上り普通列車．
70) 交直切換を予告する標識の脇を通過する681系金沢行き「はくたか」．
71) 糸魚川を発車する419系下り普通列車の前面展望．
72) 最初に現れる標識．やはり非常に目立ちます．
73) 巨大な交直切換標を通過すると同時に切換スイッチを操作します．
74) 2つめの交直切換標を通過，海川を渡り，交直切換を済ませた上り特急「はくたか」とすれ違います．
75) 架線柱に設置された虎模様の標識が注意を促しています．
76) デッドセクション直前の様子．
77) デッドセクションに進入します．
78) デッドセクションを通過中．線路に近接して工事が行われています．
79) 力行標を通過．セクション通過完了です．
80) デッドセクションの直流側の付近では当時北陸新幹線の工事が行われていました．
81) 糸魚川市内の北陸新幹線高架橋工事の様子．
82) 北陸新幹線開業後．デッドセクションのすぐそばを通過しています．海側の座席であれば車内からも見えるかもしれません．
83) 門形クレーンを使用して架橋工事が進められていました．
84) 海川手前の踏切から梶屋敷方を見たところ．右側に北陸新幹線の高架橋が並行しています．
85) 糸魚川駅の直江津方にある跨線橋から建設中の北陸新幹線高架橋を見たところ．
86) 糸魚川駅に停車中の大糸線用キハ120系．大糸線は2015年3月のダイヤ改正以後もJR西日本の路線として残されています．
87) 糸魚川駅のシンボルだったレンガ車庫．北陸新幹線駅の用地と完全に重なるため，残念ながら取り壊されました
88) 新駅舎の正面に移築・保存されたレンガ車庫の妻面．
89) レンガ車庫の向こうの駅舎内にかつて大糸線で活躍したキハ52が保存されています．駅舎内から駅前広場まで線路が延びてきています．
90) 新駅舎の正面．
91) 糸魚川駅の南東側で当時行われていた北陸新幹線駅の工事の様子．
92) 91)とほぼ同地点の，北陸新幹線開業後の様子．残雪を被った山々もほとんど見えなくなってしまいました．
93) 糸魚川駅南西側での北陸新幹線駅工事の様子．
94) 93)とほぼ同地点の，北陸新幹線開業後の様子．
95) 駅南東側で行われていた橋脚建設工事の様子．
96) 糸魚川駅西方の様子．奥にのびる3本の線路のうち，右・中央の複線が旧北陸本線のえちごトキめき鉄道，左の非電化単線がJR西日本のまま残る大糸線．
97) 糸魚川駅を発車するえちごトキめき鉄道の泊行きの上り普通列車．
98) JR時代とえちごトキめき鉄道の駅名標の比較．色使いのためか,遠めにはよく似たイメージです．
99) 北陸新幹線の高架下，新駅舎内に保存されたキハ52がホームからも見えます．
100) 保存されたキハ52の様子．車内を見学することもできます．
101) キハ52車内の様子．手入れが行き届いています．
102) キハ52にはバッテリー駆動のアント（車両移動機）が連結されており，イベントなどの際には89)の線路を使ってキハ52を屋外に押し出し，展示することもできるようになっています．