長岡補助き電区分所は東海道新幹線　岐阜羽島－米原間に設置されています．東海道新幹線が開業した当時は長岡き電区分所(東海道新幹線工事誌には「西山き電区分所」との記載もあり)として運用を開始し，新関ヶ原変電所と新米原変電所のき電境界となっていましたが，東海道新幹線がBTき電方式からATき電方式に変更された際にき電区間長を長く取れることで変電所の数の削減が可能となったため新関ヶ原変電所が新関ヶ原き電区分所に格下げされ，それに伴って長岡き電区分所も長岡補助き電区分所に格下げされました．

(参考：東海道新幹線のATき電化・電源増強に伴う変電所・き電区分所の変遷)

　長岡補助き電区分所は新米原変電所の東京方，羽島変電所とのき電境界となる新関ヶ原き電区分所までの間にあり，通常時は前後の区間が接続されていますが，事故が発生した場合や工事を行う場合などに接続を解除して停電する範囲を限定することが出来るようになっています．また，補助き電区分所内には単巻変圧器(AT)が上り線・下り線それぞれに1台ずつ設置され，ATき電線とトロリー線の間に接続されておりATポストとしての機能も果たしています．

　長岡補助き電区分所は伊吹山の南麓にあり，南東約1.2kmには東海道本線の近江長岡駅があります．この付近は日本海で発生した雪雲が伊吹山にぶつかる関係で東海道新幹線の沿線としてはかなり積雪量が多く，この付近を含む区間で徐行運転を強いられることが度々あります．冬季に東海道新幹線でこの付近を通過すると長岡補助き電区分所の周りが雪景色になっていることも良くあります．