| 隣接セクション | ||||
|---|---|---|---|---|
| (新大阪方) 東山き電区分所 |  | 栗東変電所 |  | (東京方) 五個荘き電区分所 |
栗東変電所は東海道新幹線米原～京都間の，東海道新幹線と草津線の交差地点からやや東京寄りの位置に設置されています．通常時は新米原変電所とのき電境界である五個荘き電区分所から新高槻変電所とのき電境界である東山き電区分所までの区間のき電を担当しています．
なお，栗東変電所の付近には保守基地がありますが，かつてはこの辺りに地元自治体の要望による新幹線の新駅（仮称：南びわ湖駅）の建設が計画されていました．米原－京都間は68.1kmと東海道新幹線で最も駅間距離が長く，また前述のように付近で草津線と交差している上に湖南地域は大企業の工場などの進出が比較的進んでおり，一定の需要は見込まれるとのことだったようです．新駅建設で支障となる栗東変電所の移設も予定されていましたが，諸般の事情により新駅の建設自体が中止となったため結局変電所の移転は行われませんでした．また新駅の開業に合わせた付近の再開発も予定され一部では区画整理も進んでいたようですが，中止となった現在は付近には広い空き地を生かした大きな工場や倉庫などが立ち並んでいます．
1) 栗東変電所の正門．
2) 栗東変電所の銘板．
3) 栗東変電所構内のほぼ全景．東海道新幹線の変電所は山陽新幹線以降の変電所と比較すると狭い土地に目一杯に機器類が詰め込まれたところが多いです．
4) 栗東変電所に77kV 60Hzの電力を供給する関西電力の送電鉄塔．
5) 鉄塔からの引き下げ線を支持する受電鉄構．
6) 受電鉄構の構内側．「R」・「S」・「T」の三相交流の相表示があります．
7) 受電鉄構の1L側．
8) 受電鉄構の2L側．
9) 構内の一次側(77kV)の設備群．遮断器や計器用変成器などで構成されています．
10) 三相交流77kVを互いに90°位相がズレた2組の単相交流60kVに変換するスコット結線のき電用変圧器．
11) き電用変圧器を横から見たところ．二次側のブッシングが8本あり，M座・T座それぞれの巻線が2分割されて中点が中性線(インピーダンスボンドを介してレールに接続される)に結ばれた三巻線構成になっているようです．これにより，負荷側の遮断器を開放した状態で二次側出力の1線が地絡した際に通常は30kVである健全側の対地電圧が60kVに上昇してしまうのを防ぐことができるようです．
12) き電用変圧器の二次側の機器群．遮断器や断路器などで構成されています．
13) き電用変圧器の二次側の機器群を違う角度から見たところ．
14) ATき電方式の単巻変圧器(AT)や切替セクションの中セクションの電源を切り替えるための切替用開閉器など，変電所の主要機器を収めた建屋．上り線・下り線それぞれの東京方・新大阪方のトロリー線(T)とATき電線(F)への出力がブッシングを介して引き込まれています．
15) 下り線側のブッシングとその表示．き電用変圧器のM座側が東京方(11T・11F)，T座側が新大阪方(13T・13F)に接続されているようです．
16) 上り線側のブッシングとその表示．下り線と同じく，き電用変圧器のM座側が東京方(12T・12F)，T座側が新大阪方(14T・14F)に接続されているようです．つまり，東京方と新大阪方で位相が90°ズレている一方でそれぞれの上り線－下り線間は同位相となります．
17) 東海道新幹線の変電所は敷地が狭いためか，建屋の屋上にまで機器を配置している所が多くなっています．
18) 屋上の機器類を反対側から見たところ．フィルタコンデンサーと思われる機器や断路器などが所狭しと並んでいます．
19) 建屋の側壁のブッシングから引き出される電線．M座・T座の出力より小さくて短いことから，対地電圧が低い中性線と思われますが列車密度が非常に高い東海道新幹線の負荷の大きさを反映してか非常に太い電線が使用されています．
20) 側壁から引き出された中性線と思われる電線は壁伝いに屋上の機器へ接続されています．
21) 変電所から道を隔てた反対側に並ぶ機器．フェンスの標記からこれらも新幹線の栗東変電所の設備の一部と考えられ，おそらくは栗東変電所に設置されているRPC(き電側電力融通方式電力補償装置：インバータで一旦直流に変換することで位相が異なるT座とM座の間で電力を融通し合い，両座の電力の不均衡を抑制する）用の変圧器ではないかと思われます．
22) 屋上の機器から引き出されるトロリー線・ATき電線および中性線．
24) 変電所からの引き出し線の支持部を拡大して見たところ．碍子4連で支持されたき電線のうち，手前の5本が下り線，中央の一段高いところにある中性線を挟んで奥の5本が上り線側に接続されています．
25) 鉄構の上り線側の様子．
26) 線路を挟んで変電所の反対側から見た鉄構．
27) 鉄構の下り線側の様子．
29) 下り線の切替セクションを構成する2つのエアセクションのうちの入口側(東京方)．変電所から1kmほど東京寄りに設置されています．
30) 下り線の切替セクションの入口側エアセクションの東京方端部．トロリー線と吊架線が5連の碍子で絶縁されています．
31) 下り線の切替セクションの入口側エアセクションの中セクション側端部．
32) 下り線東京方のトロリー線へのき電線接続部．
33) 下り線の切替セクションに入ってしばらくのところにある標識．編成に2ヶ所あるパンタグラフのうち前側の5号車のパンタグラフが入口側のエアセクションに掛かり始める位置を示します．
34) 5号車のパンタグラフが入口側のエアセクションを抜ける位置を示す標識．「始」と「終」の標識の間に先頭部が入る形で停車させるとエアセクションをパンタグラフで短絡してしまうため，よほどの緊急時でない限りは停車を避けるルールになっています．
35) 編成後ろ側の12号車のパンタグラフが入口側エアセクションに掛かり始める位置を示す標識．
36) 編成後ろ側の12号車のパンタグラフが入口側エアセクションを抜ける位置を示す標識．ちょうどN700系下り列車が中セクションを通過中です．
37) 下り線中セクションのトロリー線へのき電線接続部．こちらは変電所のすぐ近くにあります．
38) 下り線の切替セクションの出口側のエアセクション．変電所の目の前にあります．
39) 下り線の切替セクションの出口側のエアセクションの中セクション側端部．37)のき電線接続部ととほぼ同じ位置です．
40) 下り線の切替セクションの出口側のエアセクションの新大阪方端部．
41) 下り線新大阪方のトロリー線へのき電線接続部．
42) 下り線新大阪方のトロリー線へのき電線接続部を真横から変電所の構内越しに見たところ．
43) 5号車(編成前側)のパンタグラフが出口側のエアセクションに掛かり始める位置を示す標識．
44) 5号車のパンタグラフが出口側のエアセクションを抜ける位置を示す標識．
45) 12号車(編成後ろ側)のパンタグラフが出口側のエアセクションに掛かり始める位置を示す標識．
46) 12号車のパンタグラフが出口側のエアセクションを抜ける位置を示す標識．
47) 上り線新大阪方のトロリー線へのき電線接続部．変電所の鉄構のすぐ手前にあります．
48) 変電所横から東京方向を見たところ．下り線は中セクション内のためき電線が2本されています．一方上り線は中セクションの手前であるためき電線が3本設置されています．
49) 上下線合わせて5本のき電線が設置された架線柱．
50) その場所の架線とは異なる区間へつながるき電線のそばには停電工事の際などに注意を促す「異電源注意」の表示があります．
51) 上り線の切替セクションの入口側のエアセクション．下り線と違って変電所からかなり離れており，下り線の切替セクションとは400mほど東京方へズレています．
52) 上り線の切替セクションの入口側エアセクションの新大阪方端部．
53) 上り線の切替セクションの入口側エアセクションの中セクション側端部．そばには上り線中セクションのトロリー線へのき電線接続部も見えます．
54) 上り線の切替セクションの出口側のエアセクション．上下線に4ヶ所あるエアセクションの中で変電所から最も遠く，1.4kmほど離れています．
55) 上り線の切替セクションの出口側のエアセクションを反対側から見たところ．
56) 上り線の切替セクションの出口側エアセクションの中セクション側端部．
57) 上り線の切替セクションの出口側エアセクションの東京方端部．
58) 上り列車の編成前側，12号車のパンタグラフが出口側のエアセクションに掛かり始める位置を示す標識．
59) 上り列車の12号車のパンタグラフが出口側のエアセクションを抜ける位置を示す標識．上り線東京方のトロリー線へのき電線接続部も見えます．これらのセクションの始まりと終わりを示す標識，かなり小さいため高速走行する運転士からは見辛いと思われますが，この標識が必要となるのは駅間に緊急停車する間際の低速走行時であるためこの大きさで問題ないのだと考えられます．
60) 栗東変電所の少し新大阪方の線路沿いにはチキンラーメンやカップヌードルなどで有名な日清食品の関西工場があります．
61) 日清食品関西工場のエントランスの屋根．横から見るとただの赤い側面の屋根に見えますが，上空から見るとなんと巨大なカップヌードルの蓋になっています．
62) 栗東変電所付近からは北東の方向に「近江富士」と呼ばれている通り特徴的な形をした三上山が見えます．